トマトと○○を植えたら病気が減る?家庭菜園でも使える「コンパニオンプランツ」入門

病害虫防除
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あぐりくん
あぐりくん

一緒に植えると、病気が防げる植物があるって聞いたよ!良い組み合わせの植物を植えると、農薬をあまり使わずに栽培ができるようになるのかな?

「コンパニオンプランツ」という言葉を聞いたことはありますか?

異なる種類で、お互いの生育を促進したり、風味が良くなったり、病害虫予防になる植物のことです。

農薬や肥料の使用を減らせるため、環境にもやさしい栽培方法として注目されています。

私は農業の技術職として病害虫・土壌病害の現場を10年以上見てきました。

今回の記事では、家庭菜園で効果が出やすいコンパニオンプランツを中心に、実際の事例を交えて解説します。

相性の良い植物の組み合わせ

コンパニオンプランツとして有名なものでは、バジル、ニラ、ネギ、マリーゴールドなどがあります。

ただ、一緒に植えない方が良い、相性の悪い組み合わせもあるので注意してください。

以下の表に、主役の野菜と相性の良いコンパニオンプランツの事例を記載しています。

主役の野菜相性の良いコンパニオンプランツ効果の事例
トマトバジル、ニラ病害虫予防・風味向上
ナスマリーゴールド、ショウガ、ニラ線虫・アザミウマ対策
キュウリはつか大根、ネギつる割れ病軽減
トウモロコシインゲン生育促進・支柱代わり
イチゴニンニク、ネギ、マリーゴールド病害虫予防

代表的な組み合わせ

ここからは、代表的な組み合わせの事例と植え方について、詳しく説明していきます。

トマト×バジル

トマトの近くにバジルを植えることで、トマトにアブラムシやハダニ、コナジラミから守る効果あります。

これは、バジルが持つ独特な香りが害虫を寄せ付けないためです。

それだけでなく、お互いの生育促進にもつながります。

バジルは少ない肥料でもよく育つので、種のまきすぎには注意しましょう。

また、トマトよりもバジルを先に植えてしまうと、トマトがバジルの生育に負ける可能性があるので、必ずトマトを先に植えましょう。

この2種類の混植は、簡単に試せて、家庭菜園でも効果が出やすいです。

あさき
あさき

庭先で、トマトのそばにバジルがひっそりと植えてあるのをよく見かけます。

トマト×ニラ

ニラも比較的いろいろな野菜のコンパニオンプランツとして効果を発揮します。

トマトをニラと混植することで、「トマトいちょう病」から守ってくれます。

トマトいちょう病とは、土壌の中にいる「フザリウム」という菌によって起こされる病気です。いちょう病にかかると、トマトの株全体がしおれてしまいます。

実際の農業現場では、ニラの根をトマトの植穴に軽く敷いてから植えることで、いちょう病を減らした例もあります。家庭菜園では、トマトの株のそばにニラを数株植えるだけでも効果があります。

いちょう病などの土壌病害から守るために、トマトとニラを輪作しても予防につながります。

何年もトマトを連作している畑だと、いちょう病をはじめとした土壌病害は発生しやすいです。

ナス×マリーゴールド

アザミウマに食べられたナスの葉

ナスとマリーゴールドを混植することで、ナスの実を加害する「ミナミキイロアザミウマ」の防除ができます。

理由は、土着天敵「ヒメハナカメムシ」がミナミキイロアザミウマを食べてくれるからです。

マリーゴールドの花に、コスモスアザミウマがやってきます。コスモスアザミウマは、ナスに悪影響をおよぼしません。

そこへヒメハナカメムシがやってきて、コスモスアザミウマを食べて増殖します。ヒメハナカメムシはナスへ移動し、ミナミキイロアザミウマを食べてくれる訳です。

植え方としては、ナスを植えている畝(うね)の両肩にマリーゴールドを植えます。

ミナミキイロアザミウマは農薬が効きにくいことでも有名です。日本各地の研究者が薬剤検定をやったり、農薬に頼らない防除方法を試したり…と、様々な研究が行われています。

マリーゴールドとの混植もその1つです。

ミナミキイロアザミウマが問題かどうかは、地域による差が大きいです。特に暖地で、問題になる傾向にあります。

キュウリ×青ネギ

キュウリを植え続けると、つる割れ病という病気が出やすくなります。

つる割れ病はトマトいちょう病と同じく、フザリウムによる病気です。

キュウリを連作すると、フザリウム菌が増えて、弱ったキュウリの根に入り、病気を引き起こします。

つる割れ病が発生すると、枯れた根や葉、土壌中に何年も残るので、非常にやっかいです。

つる割れ病は、キュウリ以外のウリ科にもかかります。例えば、メロンやスイカ、冬瓜などです。

そこで、このつる割れ病を軽減させてくれるのが「ネギ」です。ネギ以外にも、タマネギやニラなどでもOKです。

下のイラストのように、ネギとキュウリの根が絡み合う形で植えておくと、つる割れ病を防いでくれます。

土壌の排水性にも注意が必要です。水が溜まりやすい畑(排水性が悪い)だと、ネギの根がしっかり伸びないと同時に、フザリウムも増えやすくなります。

私も、畑の排水性が悪い部分だけネギが大きくならず、葉先が黄色くなる事例を見てきました。特にもともと水田だった場所は、排水性が悪いことが多いです。

排水性が悪い畑では、畝(うね)を高めにするなど、水を抜けやすくする仕組みを作った上で、混植するようにしましょう。

相性の悪い組み合わせ

以上のように相性の良い組み合わせを見てきましたが、逆に相性の悪い組み合わせももちろん存在します。

例えば、ネギ・タマネギと豆類、イチゴとニラ、ナスとトウモロコシなどです。これらは、お互いの生育を阻害するので、近くに植えないようにしましょう。

なぜこれらの相性が悪いのでしょうか?理由は、以下の通りです。

・ネギ・タマネギ×豆類…豆類の出す「根粒菌」の働きをネギ類が阻害してしまうため。

・イチゴ×ニラ…両者とも浅く根を張る性質があり、生育が競合してしまうため。

・ナス×トウモロコシ…トウモロコシが高く伸び、ナスに十分な日光が当たらなくなってしまうため。

コンパニオンプランツを使う上での注意点

コンパニオンプランツを活用するとなると、異なる野菜を近くに植えることになります。

そこで、農薬散布に注意する必要があります。

農薬は作物ごとに使用登録があり、登録がない作物に対して使うことができません。

近くに異なる植物を植えている場合は、必然的に農薬が両方の植物ににかかってしまうので、必ず両方に登録が取れている農薬を使用し、倍率や使用回数を守るようにしてくださいね。

まとめ:コンパニオンプランツをうまく活用し、栽培を楽しもう!

家庭菜園でコンパニオンプランツを使うと、病害虫の予防や生育促進だけでなく、何よりも両方の植物を味わえる楽しみが生まれます。

トマトとバジルなら、両方を使ったピザができますね。

楽しみながら病害虫の被害も減らし、いろいろなコンパニオンプランツを試してみてください!

<参考文献>
木嶋 利男(2011),  ネギ族植物や雑草との間・混作による作物病害の防除,雑草研究56 巻 1 号,p. 14-18
井村岳男・神川 諭(2012),フレンチマリーゴールドのヒメハナカメムシ類温存植物としての可能性,関西病虫研報( 54 ) p.163 – 165
・営農だより2016年9月 JAよこすか葉山 (参照:2025年11月9日)

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